建築後37年経過し放置されていた倉庫を、住宅に用途転用(conversion)し再生するプロジェクトが無事完成し引き渡しを済ませました。今年は7月にも築63年の醸造所倉庫を工場・店舗・事務所などの複合施設Hokuo Lab(HPに掲載)として保存・再生に取り組みました。人口減少が続く地方都市では、今後、加速度を増し高齢化率が上昇し、子供や若者の数が減少、労働人口の減少により、街のエネルギーも失われていきます。人口減と共に、大きな社会問題に上げられるのが空き家の増加です。持ち主を失った建物は、急激に老朽化を進め周辺環境に悪影響を及ぼしてしまう可能性が高いのです。しかし、未だ使えるものを簡単に壊してしまうことには抵抗がありますし、リノベーションで数十年利用できるポテンシャルはあります。未だコロナ禍の中から抜け出せずにいますが、今回のこの経験から私たちは、忘れかけていた大きなものを取り戻すチャンスなのかもしれません。経済優先の物質社会の時代から、生活や暮らし、街づくりの質を求められる時代に変革していくのではないでしょうか。古いからと言って簡単に捨ててしまうのではなく、ちょっと立ち止まり、深呼吸をし、見る角度を変えると新しいものが見えてくるはずです。

conversionやrenovationが街に新しい風を運んできてくれるファクターになるのかも知れません・・・・・

改修前 建築後37年の倉庫
基礎、軸組、屋根は既存流用。
2階はパブリックスペースの大きな空間
1階はプライベートスペース(master bedroom)と水廻り

2階水廻り                   1階土間には床暖房