家を「建てる」ことが目的ではなく、心豊かで、楽しく、質の高い「暮らし」を考える。平面的な大きさ、広がりだけを追い求めるのではなく、変化に満ち溢れた空間を。日本の先人が積み上げてきた伝統や文化を継承し、時代や生活スタイルのニーズに合ったデザインを一緒に追い求めませんか?

New Normal

WHOが新型コロナウィルスのパンデミックを宣言してから4か月、社会活動や日常の生活様式に大きな変化が起こると言われていますが、今後どの様に変動していくのでしょうか?治療薬やワクチンの開発が進み、ある程度、安心で安全な日常を見通すことができる時期が来なければ明確な答えは見えてきませんが、日本人が脈々と受け継いできた生活様式(特に衛生面の習慣)は、感染の抑制にとても有効だったように思われます。また、外出の自粛や行動の制約を受ける中、住宅への価値観が大きく変わろうとしていることも事実です。ウサギ小屋と称される日本の住環境は、今回のコロナ禍で改めて、その価値や在り方が問われているように感じます。ハード面における質の向上と共に、暮らしそのもののクォリティの高さを求められる時代になると考えられます。住宅で過ごす時間が長くなることで、戸建て住宅、分譲・賃貸集合住宅の区別なく、暮らし方の懐の深さが問われる社会に変わるのではないでしょうか。それは、住宅の内部空間だけに留まらず、自然との関わり方や中間領域・外部空間との接続の仕方など、敷地全体や周辺環境と有機的に繋がりながりを持ちなら街づくりを形成することではないかと考えます。そのためには、既存建物や空き家の利活用を含め、リノベーションの充実も街づくりに欠かせないファクターと考えられます。今回の出来事は、経済優先を推し進めてきた20世紀から、人として生活の本質を見直す21世紀へ、変革の扉が開いた瞬間なのではないでしょうか。

Neo Nippon 〜 いま、伝えたいこと。

住宅の建設戸数が経済のバロメーターの一つに挙げられてもう久しいですが、本当に数字の伸びだけで日本経済の好不調や日本人の暮らしの豊かさが判断されて良いのでしょうか?少子高齢社会への急速な変化により、人口バランスが大きく崩れ、世界のどの国も経験したことのない深刻な社会問題を抱えています。

そんな時代だからこそ、生活の基本のひとつである住まいも、社会情勢や生活スタイルの変化に合わせて柔軟に対応できる空間や暮らしを提案する必要があると考えています。

今までのように、20~30年程度の時間の流れに対応するのではなく、LCCO2(建設してから解体するまでの建築物の一生におけるCO2の総排出量)や再生可能エネルギーなどを考慮し、ストック社会として最低50~100年の長いスパンでの対応が必要になるでしょう。

また、私たちの暮らしを豊かで、質の高いものとするためには、建築のクオリティを上げる必要があります。まず、周辺環境との調和は建築デザインの基本です。そして、室内環境は平面的な大きさや広がりだけを追い求めるのではなく、空間の構成や連続性を最大限に工夫する。そんな、変化に満ちあふれた空間によって、毎日の暮らしに生きる力がみなぎり、豊かな暮らしができると考えています。

家を建てることを最終目的とするのではなく、そこから始まる豊かで、楽しく、質の高い暮らしを家族とともに長く続けることが大切ではないでしょうか。日本の伝統や文化を継承し、時代や生活スタイルに合ったデザインを、私たちと一緒に追い求めてみませんか?

 

コストパフォーマンス

最近の新国立競技場の話題が象徴するように、国内の建設費は上昇傾向にありますし、建設コストの不透明さには専門家の我々でさえ驚きを隠せません。設計作業の中で一番難しいのはコストの調整でもありますし、クライアントの立場から見ても一番心配な問題ではないでしょうか。

いくらデザインが良くても、予算に合わなければ実現は難しくなり、単なる夢物語で終わってしまいかねません。理想と現実の差を埋めながら丁寧に説明をし、調整することも設計者の重要な仕事です。クライアントの投資するお金を最大限有効に、無駄なくバランスを図ることは、デザインと並行して進めていかなくてはなりません。

当事務所では、基本設計の方向性が決まりましたら詳細な積算を実施し、より現実に近い金額を掴むための概算予算書を作成いたします。そのことが、夢の実現への近道と考えています。

 

日本の伝統

日本の気候や風土も少しずつ変化してきています。また、先人から受け継いできた素晴らしい伝統や建築技術も少しずつ忘れ去られようとしています。デザインを優先するあまり、自然を甘くみたり、目先のコストに囚われてしまい、メンテナンスに大きなお金を投資せざるを得ないケースも増えてきています。

これからのストック社会においては、良質の建築を何世代にも渡り、長期的なメンテナンス計画も含めデザインする必要があると考えています。

メンテナンスフリーなどという材料は建築にはありません。日本の気候風土に順応し、社会情勢に適応した建築を創ることが、人々の生活のクオリティを高くし、如いては、日本文化の歴史を過去から未来へと繋ぐことができるのではないでしょうか。

 

木の温もり、安らぎ、自然の大切さ、素晴らしさ。

日本の気候風土は、素晴らしい「木の文化」を育んできました。近年では、コストの問題などにより外国材の比率が高くなりつつありますが、いま一度、国産材の品質の良さ、日本の気候風土が育んだ素材に包まれる安心感を見直す。そして、品質管理の高さや流通システムを見直し、積極的に国産材を使用するメリットを考えていく必要があると考えています。

 

雨宿り

軒の存在は、建物の寿命に大きく影響を与えます。日除け、外壁の汚れ防止、さらに北海道の場合は凍害防止などの劣化対策、縁側などの形成による中間領域の楽しみ、”雨宿り”などなど、様々なメリットがあげられます。

また、屋根の形は建築のデザインに大きく影響を与えますので、敷地の大きさや形状、周辺の環境なども調査しながら決定していく必要はあるでしょう。

特に、北海道の場合は近隣との雪によるトラブル対策で無落雪にするケースが増えていますが、こう配屋根においても雪を落とさない工法がいくつか提案されています。共にデザインの選択肢を広げ、考えてみませんか?