四季を楽しむ二人の隠れ家

嵐山を望む旭岡地区は、起伏に富んだ自然豊かで閑静な住宅地。私もアトリエ+自宅を構えて25年以上が過ぎ愛着のある場所。クライアントもこの豊かな自然を求め、嵐山を一望でき緑に包まれた理想の場所に辿り着くまで十数年が経過していた。周辺には陶芸家や染物のアトリエがあり、5月、新緑がまぶしい白樺林に包まれている。前面道路から3m程度高い敷地形状を生かし、少しでも高い目線から嵐山を望み、楽しく豊かな暮らしを望まれた。2台分のガレージを埋め、1階はプライベート・水廻り、2階はパブリック+ロフトを重ねた。嵐山を望む風景は四季を通し様々な表情を見せ、生活に彩を添えてくれる。裏庭に広がる白銀の世界に一筋のオサラッペ川は、現代の慌ただしい時の流れの加速度を抑えてくれる。クライアントの二人にとり、気に入った物に囲まれ、必要なものを必要な分だけに留め、人と自然が共生し、居心地の良い生活をすることで、“建築を永く使い続ける”ことをコンセプトに暮らしをデザインした。