敷地は旭川市の中心部より南に位置し、主要幹線道路より内に入った閑静な住宅地の一角にあります。70坪弱の敷地は北及び西側に接道している角地、隣地側の2面は既に2階建ての木造マンションと専用住宅が境界線側に寄った配置となり迫ってきていました。
計画にあたり、北海道の寒く厳しい冬期間における大切な光を、建物内にどのように導き、室内環境の安定を図り、家族が楽しく充実した毎日を送ることが出来るのかを大きなテーマとしました。
敷地南東の角の一部が抜けていたことに着目、そのわずかな隙間及び南側専用住宅の高さと冬における太陽高度の関係を整理するため、そこから建物内部へと光を導き入れるハイサイドライト及び玄関ホール一面の大窓により一定の採光及び貴重な太陽エネルギーを確保しました。建物の中心には居室への光を導き入れるための中庭を配置し、それを取り囲むように主要な居室機能を配することで安定した十分な採光を得ることが可能となります。道路側2方向における開口部は最小限にとどめ、木製ルーバーにより視線をカットすることで水廻りの内部環境の安定を図りました。中庭は中間領域として四季の移ろいを感じ、特に春から夏にかけては内部空間との連動性を持たせることで、LDの空間にゆとりや生活に潤いや楽しさが生まれ、毎日の生活に活力が漲ります。
玄関、LDのコンクリートブロックの壁面は、冬季間の床及び床下空間で温められた暖房エネルギーをブロック面に蓄熱させることで効率よく室内環境の安定を確保しました。
この建物は低炭素建築物の認定を取得し、最近の気候変動にも十分対応できる、人・地球にやさしいクオリティの高い住宅を目指し実現した住宅です。
2015.12
Timber structure
130.5 ㎡
Asahikawa.Japan