この住宅は、丘のまち美瑛町中心部より10kmほど東に位置し、敷地南側正面には遠く十勝岳を望む。周辺は白樺の自然林に囲まれ、その一部を開発し森のチャペルが佇んでいる。今回はそのチャペルを解体し終の棲家を建設するプロジェクトである。大自然に包まれた周辺環境は、終の棲家としてこの上ないロケーションであり、自然の懐の深さとどのように向き合ってデザインするのかが大きなテーマである。
建物の構造は1階をRC造、2階は木構造と一部RC造が構成する混構造、1階アプローチは、白樺林へ抜けるトンネル(緑のホール)を貫入、樹林を切り取ることで自然との距離感への印象や想像力を強めながら2階へと導かれ、リビングルームからはテラスを通し正面に十勝岳の噴煙を望み、緑の間で深い白樺林に包まれた空間を実感することになる。
大自然との一体感を室内空間に呼び込むことで、時間の流れや四季の移ろいを楽しむ空間づくりを目指した。
雄大な自然の中に佇むこの建築は、素材・色彩・構造、技術など現代建築の結晶が、今後、時間の経過と共に自然のエネルギーとどのように共存し調和していくのかを見届けたい。
2018.05
RC+Timber structure
288.1 ㎡
Biei.Japan