二世帯を楽しむ家 vol.01

住宅を手がけるときにいつも思うことであるが、クライアントの生活のリズムや様子が詳しく感じられるほど、私たちの創造する空間に可能性や広がりを与えてくれる。この住宅は、親子同居の二世帯住宅ではある。それぞれに年齢も若く、仕事を持ち、趣味を持ち、自分の時間を楽しみながらお互いの距離を保ちつつも、同居するメリットを確信し楽しく一つ屋根の下で暮らすための空間を創り上げるため幾度となくミーティングを繰り返した。室内は家具や螺旋階段により見え隠れしながら空間を分割させ、空気がよどむことなく透明感を保つ。外部空間を内側に引き込むことで、それぞれの世帯への内部空間と有機的に結びつけると共に、世帯間で一本のナツツバキの木を育てていくことにより、時間や空間の共有する大切さや、それぞれの存在を感じ、お互いの大切さを知ることができるのではないか。