二世帯を楽しむ家 vol.02

住まい方、暮らし方がとても難しい二世帯住宅。領域をどう分離し、空間をどう共有していくのかが大きな課題であり、計画を始めてから完成まで2年の時間が過ぎていた。
敷地が細長く、前後に道路と接しているため、それぞれの道路よりアプローチさせ、中央に水廻りを挟み領域を分離するとともに、その水廻りから連続する屋外空間のバルコニーを上下に配置し、お互いの空間を共有させることにより、二世帯で暮らす事の意義を見つけだしてほしいと願った。
晴れた日には青空を見上げ、そよ風に木々の葉が揺れ、囁く言葉に耳をかたむけ、雨が降る日は窓を開け、新緑の香を胸いっぱいに吸い込み、しんしんと雪が降る夜は、湯けむりの向こうに懐かしい日々を思い出す。そんな楽しい暮らし方が工夫できる住まい。
代々受け継いできたこの地で、また新たなる歴史を刻み込んでいくわけであるが、いくつかの時代を見続けてきた緑色のポンプが、この建物をいつまでも見守っていてくれるであろう。