Masato Yanagi Architects Atelier / 柳雅人建築設計工房

敷地周辺は家が窮屈そうに建ち並んでいる都市型住宅とは違い、緑が豊富で空地を楽しんで生活している家が多い。四季を感じさせる中庭を取り囲むように室を配置し、家族それぞれが同じ時間や空間を共有していることの大切さを感じることにより家族間のコミュニケーションの巾が広がり、より豊かな生活を送ることができるのではないかと提案した。
内と外の空間を有機的に結びつけながら平面を構成した結果、中庭を中心に機能性が前後に二分され、それぞれの空間を結ぶ廊下を中庭に貫通させた。パブリックスペースを北側に寄せ南側を開放したことによりアプローチが非常に重要になる。カーポートからの動線や内部での動線に配慮し、玄関を建物の内部にまで引き込んだ分アプローチが長く暗いイメージが強く感じられがちである。
私道側の列柱はそんな単調なコンクリートブロック壁面にリズムを刻み、光と影を導くことにより、より一層アプローチの持つ意味を増幅させ、また建物内部の雰囲気を感じさせる中庭を化粧ダイアブロックより垣間見ながら玄関に導かれることにより、内部空間へとイメージが膨らんでいく効果を考えた。