子どもたちと一緒に遊んだ大切なものが解体の危機に瀕しています。木材をふんだんに使用し、周辺の自然環境に溶け込み一体として計画された遊具が、ビビッドな色とりどりの 樹脂製の一般的な遊具に置き換わろうとしてします。この遊具は、1994年に完成した日本で初めて木製屋根付き遊具として近隣や周辺の子どもたちだけではなく、親、おじいちゃん、おばあちゃん、動物たちまでも、みんなが一緒に楽しみ親しめる遊具としてみんなに愛されてきました。設計者は 日本建築学会会長・日本建築家協会会長・放送大学教授等を歴任した東京工業大学名誉教授・仙田満氏(環境デザイン研究所)。風の子館は仙田氏が提唱する遊環構造と呼ばれる子どもの遊び環境の理論を適用したもので、その考え方は、愛・地球博記念公園にある愛知県児童総合センターなど多くの遊び場や公園で応用されてきました。 2024年より木材の老朽化を理由に閉鎖され、気が付いたら普通の遊具に置き換わるという情報が飛び込んできました。壊してしまうともう元には戻せませんので、何とか旭川市側にも立ち止まるようお願いの運動をしはじめ、改修の方向に舵を切り直すところまで来ました。やはり、良いデザインは永く使い続けていくことにより、街も人が一緒になり熟成したデザイン都市を創り上げていくことができるのではないでしょうか? 先日、木材研究の専門家をおお招きし、市民の方々と一緒に木材の勉強と、現状の調査をしていただきました。