昨年、北海道白老町にウポポイ(民族共生象徴空間)がオープンし、アイヌ文化に関心が高まってきています。私の住む旭川市にも先人を崇める場所がいくつかあり、自然豊かな「嵐山」はかつて上川アイヌが「チ・ノミ・シリ(われら・いのる・山)」と崇めた神々と人間を繋ぐ聖地であり、神の化身である動物の霊魂を天国へ送り出した後の頭骨や、愛着のある器物に宿る霊魂を送った後に、最終的に納める「送り場」でした。現在では「アイヌ文化の森・伝承のコタン(集落)」として、アイヌの住居や祭壇を復元展示しており、毎年春に、チノミシリ・カムイを開催し、人々の幸福や平和を祈ります。(旭川市の説明文引用) 北海道と命名した松浦武四郎が蝦夷地を探索し、北海道国郡全図を作成するときには、アイヌの人々が奥地まで案内をしてくださり、精度の高い地図を完成するに至っています。北海道の歴史・文化は、アイヌの人々の暮らしや自然との共生の基に積み重ねられてきたことを忘れてはなりません。