1958年、佐藤武夫設計の旭川市庁舎は 、北海道の公共建築から唯一「ドコモモJapan 100選」に 選出され 、長い間、旭川市民からも愛され、私たちは親しみを込めて”赤レンガ市庁舎”と呼んでいます。しかし耐震強度不足を理由に、現在、新市庁舎の建設が進み、2024年には解体予定となっており、跡地は700台の駐車場に変わる予定です。全国にも同じ理由で解体の道を辿るモダニズム建築が 後を絶ちませんが、これは地方都市の問題だけにとどまらず、日本、いえ世界的にも大きな損失につながると言っても過言ではありません。旭川市は2019年にユネスコ創造都市ネットワークのデザイン部門の認定を受けました。今後、国際的に加盟国と連携し、リーダーシップを発揮することで世界に情報発信し、人々の生活の中にデザイン力が浸透し、豊かで健康・安心な暮らしの後押しをしていかなくてはならず、旭川家具と同じように建築が果たすべき役割も大きいと考えています。先日、旭川市長と面談をし、赤レンガ市庁舎の歴史的価値や再生利活用について意見交換をしてきました。私たちは、今後も解体決定の見直しを市長に訴え、”未来都市あさひかわ”の在り方を議論し、成熟した街づくりを目指していきたいと考えています。