以前にも取り上げましたが、1958年、佐藤武夫設計の旭川市庁舎は 、北海道の公共建築から唯一「ドコモモJapan 100選」に 選出され 、長い間、旭川市民からも愛され、私たちは親しみを込めて”赤レンガ市庁舎”と呼んでいます。しかし耐震強度不足を理由に、現在、新市庁舎の建設が進み、2024年には解体予定となっており、跡地は駐車場に変わる予定です。旭川市は2019年にユネスコ創造都市ネットワークのデザイン部門の認定を受けました。今後、国際的に加盟国と連携し、リーダーシップを発揮することで世界に情報発信し、人々の生活の中にデザイン力が浸透し、豊かで健康・安心な暮らしの後押しをしていかなくてはならず、旭川家具と同じように建築が果たすべき役割も大きいと考えています。私たちは貴重な文化・歴史的建造物である赤レンガ市庁舎を改修・保存して、サテライトキャンパス・サテライトオフィス・ユネスコ創造都市ネットワークの拠点・子育て支援センターなど、地域社会を活性化する方法を模索し、新庁舎との共生を図ることが都市の核(シビックセンター)として相応しい方策だと考えます。議会棟の1階部分はピロティとし、ハンディキャップ用の駐車場や車寄せを確保することにより、雪国の厳しい環境にも配慮した空間に生まれ変わります。先日、旭川市長と3回目の面談をし、新庁舎へのアプローチの問題点についてBIMを活用した動画を作成 し意見交換をしてきました。私たちは、今後も解体決定の見直しを市長に訴え、”未来都市あさひかわ”の在り方を議論し、成熟した街づくりを目指していきたいと考えています。