これだけ、電気料金やガス・灯油代が上昇すると、未使用の部屋の暖房を止めたくなるのは理解できなくもありませんが、室内環境を考えると良いことではありません。部屋の温度差により空気の移動(気流)が発生するため体感的に室温より寒く感じますし、使用する際には急激に温度を上げることになり、結果的に燃費も悪くなりますし結露の原因にもなりかねません。気流は部屋間だけではなく、室の上下間(床と天井の温度差によるもの)でも発生します。気流をゼロに抑えることは難しいことですが、目安は0.15~0.2m/s以下に抑えることが大切です。従って、未使用の部屋であっても暖房を止めるのではなく、設定温度を最低でも15~16℃以上に保ちます。できれば室間の温度差は2℃以内(18~20℃、北海道の場合は19~21℃)に納めることで気流の発生を抑え、ヒートショックによる事故なども防ぐことができます。このような室内環境を実現するためには、断熱・気密・設備機器などの性能評価をしっかりすることで、寒い日本の住宅の汚名を、少しづつでも改善していかなくてはいけません。